子どもをつい感情的に怒ってしまう…。「怒り」とのつきあい方を考えてみた

公園に連れて行けば「まだ帰りたくない!」と愚図る。
手間暇かけて作ったご飯を「いらない!」と床に投げつける。

わがままを言うわが子に対して、最初は広い心でやさしくなだめていても、そのうちイライラが募って、「もういい加減にしなさい!!」と怒りが爆発した経験はありませんか。筆者はよくあります(笑)。

2歳を過ぎたばかりの長男はイヤイヤ期の真っ只中。自分が疲れていたり、寝不足だったりして、気持ちに余裕がないと、つい子どもの心を傷つけるような声かけをしてしまい、あとで自己嫌悪に陥る……。

そんな日常を過ごしています。

穏やかな性格の夫と比べると、私はすぐ感情的になるタイプ。そのうえ「完ぺき主義」なところもあるので、はっきり言って「自分の意のままにならないことが当たり前の“育児”」は、向いてないんですね。

イライラすると自分の怒りをうまくコントロールできない。いくら性格とはいえ、このままだと子どもの成長に良くないはず…。自分自身の性格で悩んでいたときに出会ったのが、『0歳からのアドラー流 怒らない子育て』でした。

怒りはコントロールできるもの

この本を読んで衝撃だったのが、「怒りはコントロールできる」という一節。著者によると、

「怒りの感情はコントロールできないどころか、自分が主導権をもって、相手によって出したり、引っ込めたり『使って』いる」

のだそうです。

その具体例として、「何度言っても、子どもが部屋を片付けないことに怒っているシーン」を挙げていました。

「何でこんなに部屋散らかったままなの!」と怒鳴り散らす母親。そんなときに幼稚園から電話がかかってきます。「もしもし。あら、先生!いつもお世話になっています。」要件が済んで、電話を切ると、母親は「何やってるの!早く片付けなさい!」と再び怒鳴り散らす。

上記は本に載っていた事例を要約したものです。

本当に怒りがコントロールできないのだとしたら、電話をかけてきた幼稚園の先生にも「当たり散らしてしまう」ということになりますよね。でもそんなことしたら、のちのち気まずくなることが分かっているから、私たちは「怒り」を引っ込めて対応しますよね。

なぜ人は「怒る」のか? 怒りの目的

そもそもなぜ私たちは「怒る」のでしょうか。著書のなかには怒りには4つの目的があると書いてありました。

1.支配(親子間や上司・部下、または先生・生徒などの関係において、相手を自分の思い通りにしたい)
2.主導権争いで優位に立つこと(親子間、夫婦間、社内、友人などの中で自分の主導権を発揮したい)
3.権利擁護(自分のプライバシーや権利を守りたい、邪魔されたくない)
4.正義感の発揮(社会のルールを守らなかったり、弱いものいじめをする人に対して、許せない)

いかがでしょうか。育児においては「1、2、4」の目的から怒ることが多いのかなと思いました。

大切なのは、怒りの背景には何があるのかを分析すること

さらに「怒り」という感情が表出されるまでには、“段階”があるそうです。

「その(怒り)の根底には、『一次感情』と呼ばれる、心配・不安・寂しさ・悲しみ・落胆・羨望・失望・焦り・不安・支配などの感情があります。これらの感情が満たされないときに『怒り』という『二次感情』を使って相手に伝えよう、わかってもらおうとすることが多いのです」

前述の「子どもの片づけ」を例にみると、

・一次感情:何度注意いても片付けない子どもへの落胆や失望、母親の言うことを聞かないことへの不満
・二次感情:親の思う通りに子どもを支配したい、主導権を握りたいという目的のために「怒り」を表出する

ということですね。

子どもにイライラしたら、「コラ!!」と発する前に、深呼吸をして「自分はどうして怒っているんだろう」と冷静に問いかけてみてください。

怒りの下にある「一次感情(心配・不安・寂しさ・悲しみ・落胆・羨望・失望・焦り・不安・支配)」を知ることで、子どもに対して怒りをそのまま爆発させてしまうことも減ってきます。

「怒り」の感情、子どもの心を傷つけずに伝えるには

自分の一次感情が理解できたら、その気持ちを子どもにどう伝えるか?も重要です。

ここでのポイントは「私(I)メッセージ」で伝えること。「I(私)メッセージ」とは、「私」を主語として相手の行動に対する意見や感情を伝える手法です。

「私はこう思う」と伝えることで、相手を責めたり、傷つけたり、不快な気持ちにさせたりせずに、自分の意見を伝えることができます。

「私(I)メッセージ」とは逆に、「あなた(You)メッセージ」で伝えると、子どもの心を傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。

具体例を出すと、野菜嫌いな子どもに対して、

私メッセージ:「野菜は体にいいんだよ。野菜を食べると体が丈夫になるんだよ。ママは●●ちゃんが野菜を食べられるようになるのが楽しみだな!」

あなたメッセージ:「どうして野菜食べないの?」

といった感じです。どちらも「子どもの健康を心配する」という気持ちから出る言葉ですが、ちょっとした伝え方の違いで、印象が大きく変わりますよね。

それでも「怒り」が抑えられなかったら?

怒りのメカニズムや伝え方は理解したけれど、ときには冷静さを忘れて、感情をぶつけてしまうときもありますよね。そんなときは、ママにも「おやすみ」が必要なサインなのかもしれません。

「毎日、家事や育児をしている自分自身を認めて、『お疲れさま』『頑張っているね』と、自分にも『愛』をあげましょう。認めるのは特別なことでなくていいのです。家族のためにごはんをつくったり、掃除をしたりといったことはもちろん、無気力で何もできない自分に対してだったら『無理しすぎてない?』「本当はどうしたい?」と心の声を聴いてあげます」

24時間休みなく続く育児。毎日子どもと向き合っていると誰だってストレスや疲れがたまります。たまにはお子さんをパパや両親に預けて、息抜きをすること。1日30分でもいいので、自分がリフレッシュできる時間を持って、毎日頑張っている自分をほめてあげること。

愛するわが子のため、自分自身の笑顔のためにも、「怒り」という感情とうまくつきあっていく術を身に着けたいものですね。